20-02-20 修論公聴会2020

修論の公聴会が無事に終わりました.例年のようにまとめです.

2020年2月19日

石井瑞歩くん「側鎖結晶性高分子を用いたフィルムの物性制御(Control of physical proterties with crystallizable side-chainpolymers)」(英語発表)
今年は一番最初になりました.副査は熊木先生とSathish先生にお願いしました.粘着剤などに用いられる側鎖結晶性の高分子の粘着・剥離性と表面構造,また粘着付与剤の効果についての議論です.まず滝本先生から粘着付与剤の構造や融点,軟化点についての議論がありました.また,副査の熊木先生から,高温での溶解性低下との関連,粘着付与剤が表面に析出するプロセスについての議論がありました.また,Sathish先生から相関距離からどのように溶けているのかを議論できないのか?乾燥後の表面について実測はしていないのか?モデルとの相関についてなどの議論をいただきました.各先生とも英語,日本語を交えて非常にレベルの高い議論でした.

英語での議論もしていて,非常に立派でした.松葉研の国際化への道を開いてくれたパイオニアです!

坂牧広夢くん「フッ素樹脂/PMMAブレンドの結晶性と相分離の制御」
副査は伊藤先生,宮田先生にお願いしました.フッ素系樹脂のPMMAブレンドの相分離と結晶成長の様子をX線散乱やTEM測定を駆使して調べた研究になります.宮田先生から,PVDFのような結晶多形は他の樹脂ではないのか?やPVDFのβ構造,α構造がどのように出たのか?また,それが密度ゆらぎとどのように相関しているのか?の議論がありました.また,伊藤先生からは何が新しいのか?という質問と熱履歴の際の相分離→結晶化の順序について,やTEM像についての議論をいただきました.特に,非常に小さなスケールで見たら何らかの構造があるのでは?という議論をいただき,適切に議論を返していました.

修士課程で最も伸びた学生さんの一人です.大量のデータに基づく解析をしっかりやってくれました.(特に就活終了後がすごかったです)彼も,国際化にものすごく貢献してくれました.

2020年2月20日

森田晃年くん「樹脂中におけるセルロースナノファイバーの分散性の評価」
副査は西岡先生,滝本先生にお願いしました.セルロースナノファイバーのコンポジット内部の分散を評価するという多分誰もやっていない分野なんだけど,なんで論文が・・・みたいな話です.レベル高いですよ,これ.西岡先生からはセルロースの分布についてナノメートル〜ミクロンにどのように変化するのか?どのように実際に動いていくのか?力学挙動などについてご指摘がありました.また,滝本先生からは模式図と顕微鏡の相関についてやCNFの凝集についての議論をいただきました.卒論のときに比べると圧倒的に成長したのを感じました.また,香田先生からも凝集についての議論があり,非常にCNFの凝集については注目度が高い,と感じました.

森田も非常に頑張っていた学生の一人です.共同研究先の打ち合わせは全て任せても安心のレベルまで行きました.

加藤将人くん「X線散乱法によるエチレン系アイオノマーの高次構造の解明」
副査はアイオノマーということで西岡先生,香田先生にお願いしました.アイオノマーの構造について散乱法を駆使して,内部構造を評価した「マニアック(by西岡先生)」な研究です.西岡先生からはTiの問題点についていくつか指摘があり,力学挙動や内部のモデルなどについて議論していました.また,Naのほうが粘度が高い,などの議論をもらい巻した.一方,香田先生からは核の数と分布について議論がありました.特にTiのDSCのピークはなんで重ならないのか?という非常に難しい議論まで突っ込まれており,非常に勉強になったかと思います.

加藤も最も伸びた学生の一人です.Yarusso-Cooperと光散乱測定は今世紀最大の発明だそうですが,なんにせよ広い空間スケールでの測定が入ることで一気に理解が深まった感じがします.

外山佳祐くん「二軸延伸フィルムの精密構造解析」
副査は川口先生,杉本先生にお願いしました.湿式逐次二軸延伸フィルムの構造変化について議論したという非常に産業を志向した研究です.おもしろいで.杉本先生からは相分離がいつ始まるのか?の議論がありました.特にTD延伸で孔は大きくなっていないことを指摘を受け,非常に頑張って議論を返していました.また,川口先生からはDryのフィルムの内部構造,X線散乱プロファイルについてのなぜ結晶が見えないのか?SAXSでは何が見えているのか?という議論がありました.また,それに関連して滝本先生からも議論があり,可塑剤についての分布と孔の関連について指摘がありました.

外山もよく頑張っていました.かなり緻密な議論をしたので,しっかり前進していい話まで持っていくことができました.中国関連の行事では本当にお世話になりました.


なんにせよ,5名とも非常にレベルの高い発表,質疑応答で非常に嬉しく思いました.2年前からの大きな成長が実感できました.リンク

夜は懇親会でした.10名の学生さんお疲れさまでした.

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