22-02-17 卒研発表会2021年度

無事に卒研発表会が2月16日、17日と開催されました。松葉研の簡単なまとめです。

宮崎 航くん
溶融混練におけるポリプロピレンとシクロデキストリンの包接挙動の解明」。発表中はどえらく緊張していましたが、議論の方はスムーズに回っていました。この調子で実験をしっかりすれば、良いデータがでてくると思います。

佐藤志帆さん
「米澱粉の糊化・老化における内部構造評価」。しっかり発表できていたと思います。デンプンの構造についてのモデルの理解を深めたいところですね。しっかりやれていたので、修士でも頑張ってもらえると期待しています。

島 海人くん
「3Dプリンタを用いた発泡体モデルの不均一性が及ぼす物性の評価」構造解析というよりなぜその物性が現れるのかを3Dプリンタを使ってモデリングしました。K先生から「あれは趣味でしょ」と言われましたが…。こういうのは最初にするのがえらいので頑張っていきましょう。

鈴木和希くん
結晶性側鎖を有するコポリマーであるインテリマーを用いた 新規機能性材料の構造解析」発表練習を繰り返してかなりレベルが上がりました。最後のモデルの作り変えが間に合わなかったのがちょっともったいなかったですが、よく議論できていたと思います。

渡部 空くん
調湿延伸における固体高分子形燃料電池膜の構造解析」データとしてはかなり綺麗にまとまっていたと思います。モデルのところをきちんと模式図として示せば、もう一弾レベルが上がりそうです。

西浦健悟くん
「導電性フィラー複合自己修復性材料の構造解析」しっかり発表できていたと思います。ちょっと議論でたじたじになってしまいましたが…。データとしては面白くできるので、もうちょっと実験したいところですね。

というわけで、4年生の発表でした。全員修士に進学するのでこの調子で頑張って欲しいです。

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22-02-15 21年度修士公聴会(2/14-15)

年に数回しか更新がないのですが…。とりあえず、修士公聴会はまとめようということでまとめました。(公聴会は公開なので)

2/14 村山駿介くん「二種類の金属イオンを含むエチレン系アイオノマーの構造解析」(英語発表)
(Study on structural analysis of ethylene ion

omers containing two types of metal ions)

アイオノマーは10年ほど前に始めて色々と学びながら進めているテーマです。強烈に難しいのですが。副査は西岡昭博先生、香田智則先生にお願いしました。直前まで色々と議論をしていたのですが、最後に方針が立って一気に話が進みました。まず、瀧本先生から、イオン会合体の中のイオンの数について質問を受けて議論をしました。また、川口先生からイオン会合体半径の大きさについて議論を受けていました。また、西岡先生からはなぜ二種類のイオンで中和させると機械特性が上がるのか?という根源的な質問がきました。さらに、香田先生から電子密度の分布について質問を受けました。英語と日本語のちゃんぽんになりましたが、頑張って議論をしていました。

なんにせよ、イオン会合体と結晶の相関について多面的に議論していました。なお、博士後期課程でも続けて研究をしてくれます。

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2/15 佐藤綾汰くん「フッ素樹脂・PMMAブレンドの相分離と結晶化挙動」

こちらも先輩から引き続いてやってもらったテーマです。なかなか進みづらい局面もありましたが、BL38B2@SP-8の実験の数を重ね、種々の実験を行い、相分離と結晶化の基礎的な知識をためていくことで良い論文になりました。副査は伊藤浩志先生、宮田剣先生にお願いしました。宮田先生からはサンプルの作成手法についての質問と他のPMMA混合比についてどの様になっているのかについて質問がありました。また、伊藤先生からは相溶性の評価の方法やAFMでの結晶構造、高次構造とSAXS測定の結果についての議論、また分子の可動性についての議論がありました。さらに、川口先生から、フッ素樹脂とPMMAについて「どの部分がなぜ」混ざるのかという根源の質問がありました。

就活がおわったあとの実験、議論で一気に成長しました。企業で、さらなる活躍を期待しています。

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2/15 近藤優成くん「異なる分子量のポリオールを用いた熱可塑性ポリウレタンの熱力学特性と構造の相関」

近藤くんが4年になったときに企業からの共同研究で開始したテーマです。結晶化とも相分離とも少し異なっているテーマでなかなか大変でした。副査は熊木治郎先生と杉本昌隆先生にお願いしました。熊木先生からは企業からの共同研究ということで用途についての質問がありました。このあたりはもうちょっと抑えておきたかったところですね。また、杉本先生からは粘弾性測定について多くの質問があり、絡み合いやガラス転移についての議論をしました。

しっかり実験をして実力を身に着けてくれました。企業でも十分活躍できると思います。期待しています。

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3人ともお疲れさまでした。

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21-06-03 出前講義(樹脂粘土)について

今日は講義の後に、愛知県立西尾東高校向けにZOOMを用いた出前授業を行いました。「自動車に使われる高分子」でしたら、特に準備せずともZOOMの接続のみで、60分でも90分でも話できるのですが、「樹脂粘土で遊ぼう」と「自動車・・・」を両方やってほしいというお話だったので、備忘録代わりに残すことにしました。

4月下旬:6月頭に先方から依頼(広報室経由)
→通常、広報室経由です。直接でも引き受けますので(笑)

GW:やり方を考える。

連休明け:とりあえず、おゆまるの購入を依頼→OKだったので、本格的に準備開始。講義はなんとでもなるから、樹脂粘土をどう仕上げるか・・・と調べたら以前南陽市立沖郷小学校のときの資料しかなかったので高校生向けに作り直す必要があることが判明。メンバーをとりあえず数人見繕う。

5月12日くらい:資料作製依頼
→とりあえず、おゆまる経験者で就活をしていない学生(1年やっていないだけで半分くらいになってる。研究室配属前とB4のときに科学フェスティバル参加学生)に声をかけて、資料を作ってもらうように依頼。

5月17日くらい:資料完成。内容はGood.なので、とりあえず「自動車・・・」とともに完成させて、先方へ送付。手伝ってくれるメンバーを確定(とりあえず9名)。経験者優遇で、年齢層は今後のことを考えて分散しました。ZOOMの打ち合わせの日程を確定。前日は怖いので、少し早めの31日に設定。

おゆまるが足りない分を発注(Amazon)。必要なもの(発泡スチロール製お椀、割り箸、キッチンタオル)の確認。

5月25日:先方と打ち合わせ。資料の確認と、ざっくりとした時間割の確認。また、学生の参加があるので、学生さんに聞きたいことをまとめてもらうことを依頼。

5月28日:学生の打ち合わせの日程とざっくりとした内容を連絡

5月31日:先方と打ち合わせ。学生数やブレイクアウトルームのグループ数などを決定。接続は問題なし。また、ざっくりとした予定を先方と決定。

6月1日:入試からポットを借りてくる。一応、おゆまるをやったことない学生もいるので体験してもらう。

6月3日:講義が終わったあと、ZOOMを立ち上げ接続待ち。資料を確認。西尾東高校のみなさんが入ったのが、開始10分前くらいだったので、学生に呼びかけをして、ZOOMに接続してもらう。

10分前に講義開始。研究室紹介→おゆまるの紹介の流れ。
最初ブレイクアウトルームの立ち上げをミスってしまい、少し時間をロス。

ブレイクアウトルームでの活動開始。一応、カメラON、マイクONにしてもらう。盛り上がっていないところは盛り上げるように、盛り上がっているところはそっと見守る形にしました。だいたい40分で終了(1520)

一応、見回ったほうが良いなぁ、と。10分も経てば、だいたい大丈夫になっていたので、あとは安心して見守る。適当に写真撮影。

おゆまるはそこそこ盛り上がっていたようで良かったです。また、事前に質問を考えておいてもらったのも良かったんだと思います。

こんな感じで説明してもらいました。

そのあと、20分ほどで自動車と高分子をざっと説明で終了。終了後、水を捨てて、現在内部の乾燥中。明日、ポットを入試に返却予定。

学生の皆さんお疲れさまでした。

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21-02-18 修士論文公聴会2021 (21.2.16-17)

修論の公聴会が無事に終わりました.あとは,論文をしっかり仕上げられるようにラストスパート頑張ってください.公聴会なので,割とデータ厚めで.

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太田和樹くん「セルロースナノファイバーを利用した再生セルロース繊維の機能向上
(Improvements for regenerated cellulose fibers treated by CNF)」:英語発表

なかなか大変なテーマでしたが,なんとかまとめてくれました.CNFと再生セルロースを組み合わせて(特許出願済),新たな機能を出そうという研究でした.英語のレベルは非常に高くて,最初っから英語でPPTをつくると言ってくれました.副査は西岡先生,香田先生にお願いしました.西岡先生からはモデルや繊維の表面構造,CNFと凝集体について議論していただきました.また,香田先生からはSEM像とモデルとの相関や構造モデルについて議論していただきました.さらに,滝本先生からも質問が出て,顕微鏡像と配向の相関を議論していただきました.

英語で堂々と発表していました.FT-IRなど駆使して非常に綺麗にまとめてくれました.また,企業との共同研究で色々大変なこともありましたが,最後は本当に頑張ってくれました.

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間瀬元太くん「ポリフェニレンサルファイドとポリアミド9Tのブレンドにおける結晶構造解析と熱的物性 (Crystal structure analysis and thermal properties for polyphenylene sulfide and polynonamethlene terephthalamideblends)」

副査は,熊木先生,宮田先生に加えて,間瀬のたっての希望で宮先生にもお願いしました.PPSとPA9Tブレンドの結晶モルフォロジーとその研究からPPSのFlash-DSC測定から,結晶化プロセスを明らかにするものでした.特にFlash-DSC測定はNanjing University, Chinaで実際に1ヶ月ほど滞在して実験をしてもらいました.熊木先生からはPA9Tが結晶化の中でどのような役割を果たしているのか?について議論がありました.また,宮先生からは分子量の変化はないのか?ということがありました.さらに,宮田先生からはPPSとPA9Tの結晶格子の違いに着目して構造モデルに対して非常に鋭い指摘がありました.

本当にNanjing UniversityのProf Wenbing Huにはお世話になりました.実はFlash DSCのデータむちゃくちゃ面白いですよね,と後ほど熊木先生から言っていただきました.あと,ラストスパートは特筆すべきものでした.もっと実験,議論したかったところです(笑)

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宇津木茂樹くん「X線・中性子散乱を用いた固体高分子形燃料電池膜の精密構造解析」

高分子燃料電池膜の実際の使用に近い高温における高湿度,低湿度条件での延伸中のIn-situ中性子散乱を利用した構造解析を行ってくれました.副査は伊藤先生,川口先生にお願いしました.伊藤先生からは燃料電池膜の基礎的な議論から延伸時の結晶化,イオンチャンネルの変化などについて指摘がありました.また,川口先生からは,水分率や重水を利用した場合の変化をご指摘いただきました.さらに西辻先生からは,アフィン変形のモデルについての議論をしていただきました.

原研の特別研究生の枠組みを使って,非常に長期に渡って実験をさせてもらいました.JAEAの高田様をはじめとするTaikanの関係者の皆様に心より御礼申し上げます.また,JAEAで揉まれてしっかり成長することができました.

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長崎 茜さん「馬鈴薯澱粉の糊化・ゲル化現象における高次構造変化の解明」

副査は,城戸先生,西岡先生にお願いしました.馬鈴薯澱粉の糊化・ゲル化プロセスにおける熱的変化,粘弾性変化,構造変化をそれぞれ非常に多面的に解析し,構造変化のプロセスを追跡した論文です.この研究は本当に多くの人たちの協力でできました.糊化プロセスが結晶の溶融であり,さらに糊化後の構造について散乱解析と粘弾性測定を使ってモデルを作って説明しました.西岡先生からは,ネットワーク構造や糊化のあとの構造の具体的なイメージについて質問がありました.非常に上手に答えていました.城戸先生からは,希薄溶液中での澱粉分子の振る舞いについての議論がありました.また,ゲル化形成のドライビング・フォースについての議論をしていただきました.

本当にたくさんの実験をしてくれました.松葉研の中心となって活躍してくれました.早い段階からものすごい研究活動をしてくれて,いろいろなところで,ドクターだ助教だと言われていました.議論もしっかりして,良い発表だったと思います.

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今井啓暁くん「発泡材料の構造と物性について」

企業との共同研究をまとめたものです.それもあり,副査は杉本先生とSathish先生にお願いしました.サンプル作製から泡の性質を評価可能な機械学習を使った泡の計測手法の開発,物性との相関,3Dプリンタを使っての評価という結構な分量の研究でした.杉本先生からは途中の相関図についての質問がありました.また,表面と内部でそこまで違うのはなぜかという質問がありました.また,Sathish先生からは,モデルは面白いがなぜそのモデルなのか?なぜそうなるのか?を議論してほしいとのご指摘がありました.

松葉研究室にこれまでなかった解析手法や3Dプリンタを利用した物性評価など多岐にわたって活躍してくれました.また,共同研究先からも研究について非常に高い評価を受けていました.

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というわけで,5名の公聴会の様子でした.あとは論文をしっかり書いて,次に羽ばたいてくれるといいなと思います.

お疲れさまでした.

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21-02-17 卒研発表会(2021.2.12)

Polymers.jpのデータベースサーバを更新したので若干遅くなりました.結局,wp-config.phpを書き直せば良いとわかったので,無事に見た目はわからずに更新されました.

というわけで,2020年度の卒研発表会が2月10日,12日に開催されました.松葉研関連では,6名の学生さんが卒業研究発表をしました.卒研なので内容を簡単にまとめます.(支障のない範囲で)

安達大登くん:結晶性のポリスチレンのブレンド系のモルフォロジーを観測しました.当然,結晶について議論などがありました.修士では放射光を駆使していろいろな温度,状態での測定を目指したいと思います.結晶性のポリスチレンと言えば,松葉だと個人的に思っているので,伸ばしていきたいところです.

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赤坂拓美くん:延伸時のセルロースナノファイバーコンポジットポリプロピレンの構造変化についての研究でした.10月以降しっかり頑張ってくれて,延伸時の構造変化と,それを昇温させたときの変化を議論しました.心に「しみる」発表でした.卒業後は企業で働くとのことです.ぜひ頑張って欲しいところです.

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過足未紗さん:コンニャクグルコマンナンの構造について,溶液・ゲルの観点からコンニャクのミクロ〜ナノ構造について議論しました.ちょっと議論で受けを取ってしまいましたが,良い成果だからこそだと思います.前回の学会でできなかった数字の議論ができたので,成長しててよかったです.修士ではこれに加えて新しいテーマが増えますが,しっかり頑張って欲しいです.

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岡田朋也くん:側鎖結晶性樹脂の温度変化時における構造形成プロセスを追跡した話になります.光透過性を議論しているので,偏光性を議論しつつ,多くのデータからしっかりとした解析ができたと思います.企業との共同研究なので,このテーマを活かしつつ,どうやってサイエンスに発展させていくかを考えていきたいところです.

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石澤朋佳さん:松葉研歴代でも多くの実験をした4年の一人です.PLAを使って新しい現象とモデルを提唱することができました.プレゼン力が最も伸びた学生さんの一人です.水圏機能材料という新学術領域を最もうまくつかって実験をしてくれた学生さんです.議論も堂々としていました.

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八代和樹くん:酵素活性を変化させたイネ澱粉の結晶構造について議論しました.しっかりとした解析をして,何がどう変わるのかを議論できました.この調子で農学の方にもしっかり広げて,放射光の利用につなげたいと思っています.ぜひ頑張っていきましょう.

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というわけで,最後に松葉研お決まりの記念写真です.お疲れさまでした.

真面目で優秀ないい学生さんたちです.頑張っていきましょう.

 

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