21-02-18 修士論文公聴会2021 (21.2.16-17)

修論の公聴会が無事に終わりました.あとは,論文をしっかり仕上げられるようにラストスパート頑張ってください.公聴会なので,割とデータ厚めで.

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太田和樹くん「セルロースナノファイバーを利用した再生セルロース繊維の機能向上
(Improvements for regenerated cellulose fibers treated by CNF)」:英語発表

なかなか大変なテーマでしたが,なんとかまとめてくれました.CNFと再生セルロースを組み合わせて(特許出願済),新たな機能を出そうという研究でした.英語のレベルは非常に高くて,最初っから英語でPPTをつくると言ってくれました.副査は西岡先生,香田先生にお願いしました.西岡先生からはモデルや繊維の表面構造,CNFと凝集体について議論していただきました.また,香田先生からはSEM像とモデルとの相関や構造モデルについて議論していただきました.さらに,滝本先生からも質問が出て,顕微鏡像と配向の相関を議論していただきました.

英語で堂々と発表していました.FT-IRなど駆使して非常に綺麗にまとめてくれました.また,企業との共同研究で色々大変なこともありましたが,最後は本当に頑張ってくれました.

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間瀬元太くん「ポリフェニレンサルファイドとポリアミド9Tのブレンドにおける結晶構造解析と熱的物性 (Crystal structure analysis and thermal properties for polyphenylene sulfide and polynonamethlene terephthalamideblends)」

副査は,熊木先生,宮田先生に加えて,間瀬のたっての希望で宮先生にもお願いしました.PPSとPA9Tブレンドの結晶モルフォロジーとその研究からPPSのFlash-DSC測定から,結晶化プロセスを明らかにするものでした.特にFlash-DSC測定はNanjing University, Chinaで実際に1ヶ月ほど滞在して実験をしてもらいました.熊木先生からはPA9Tが結晶化の中でどのような役割を果たしているのか?について議論がありました.また,宮先生からは分子量の変化はないのか?ということがありました.さらに,宮田先生からはPPSとPA9Tの結晶格子の違いに着目して構造モデルに対して非常に鋭い指摘がありました.

本当にNanjing UniversityのProf Wenbing Huにはお世話になりました.実はFlash DSCのデータむちゃくちゃ面白いですよね,と後ほど熊木先生から言っていただきました.あと,ラストスパートは特筆すべきものでした.もっと実験,議論したかったところです(笑)

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宇津木茂樹くん「X線・中性子散乱を用いた固体高分子形燃料電池膜の精密構造解析」

高分子燃料電池膜の実際の使用に近い高温における高湿度,低湿度条件での延伸中のIn-situ中性子散乱を利用した構造解析を行ってくれました.副査は伊藤先生,川口先生にお願いしました.伊藤先生からは燃料電池膜の基礎的な議論から延伸時の結晶化,イオンチャンネルの変化などについて指摘がありました.また,川口先生からは,水分率や重水を利用した場合の変化をご指摘いただきました.さらに西辻先生からは,アフィン変形のモデルについての議論をしていただきました.

原研の特別研究生の枠組みを使って,非常に長期に渡って実験をさせてもらいました.JAEAの高田様をはじめとするTaikanの関係者の皆様に心より御礼申し上げます.また,JAEAで揉まれてしっかり成長することができました.

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長崎 茜さん「馬鈴薯澱粉の糊化・ゲル化現象における高次構造変化の解明」

副査は,城戸先生,西岡先生にお願いしました.馬鈴薯澱粉の糊化・ゲル化プロセスにおける熱的変化,粘弾性変化,構造変化をそれぞれ非常に多面的に解析し,構造変化のプロセスを追跡した論文です.この研究は本当に多くの人たちの協力でできました.糊化プロセスが結晶の溶融であり,さらに糊化後の構造について散乱解析と粘弾性測定を使ってモデルを作って説明しました.西岡先生からは,ネットワーク構造や糊化のあとの構造の具体的なイメージについて質問がありました.非常に上手に答えていました.城戸先生からは,希薄溶液中での澱粉分子の振る舞いについての議論がありました.また,ゲル化形成のドライビング・フォースについての議論をしていただきました.

本当にたくさんの実験をしてくれました.松葉研の中心となって活躍してくれました.早い段階からものすごい研究活動をしてくれて,いろいろなところで,ドクターだ助教だと言われていました.議論もしっかりして,良い発表だったと思います.

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今井啓暁くん「発泡材料の構造と物性について」

企業との共同研究をまとめたものです.それもあり,副査は杉本先生とSathish先生にお願いしました.サンプル作製から泡の性質を評価可能な機械学習を使った泡の計測手法の開発,物性との相関,3Dプリンタを使っての評価という結構な分量の研究でした.杉本先生からは途中の相関図についての質問がありました.また,表面と内部でそこまで違うのはなぜかという質問がありました.また,Sathish先生からは,モデルは面白いがなぜそのモデルなのか?なぜそうなるのか?を議論してほしいとのご指摘がありました.

松葉研究室にこれまでなかった解析手法や3Dプリンタを利用した物性評価など多岐にわたって活躍してくれました.また,共同研究先からも研究について非常に高い評価を受けていました.

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というわけで,5名の公聴会の様子でした.あとは論文をしっかり書いて,次に羽ばたいてくれるといいなと思います.

お疲れさまでした.

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