20-06-24 Web講義まとめ2(まつば)

あくまで地方大学である山形大学の教員の松葉という立場から見た話です.松葉研究室以外のものを代表しているわけではないです.

しばらくして,特定警戒都道府県(4月6日〜)に続いて,全国に緊急事態宣言が発令(4月16日〜)にあたり,4月20日から講義開始を決めていた米沢キャンパスでも4月26日〜5月10日のキャンパスの閉鎖が決まりました(4月21日)

まぁ,おそらく閉鎖だろうという噂は聞いていた(本当に噂だけ)ので,研究室としては学生と急遽打ち合わせを入れて,休業中の研究の方針決定,データの取りまとめ,などなどをお願いしました.どうも修士の頃から,実験は先行逃げ切りを旨とする(理由はなんとなく知っているのですが)という方針で動いていまして,B4に関しても基本的に先行逃げ切りが図れる(笑)だけのデータの質と量を確保していました.この点だけは助かりました.

で,4月20日に企業の方のZOOM講演をお願いしました.これで一旦行事を終わりとして,あとは研究室としてしばらくCloseする方向で進めました.ただ,当時Nicoさんがおられたので,どうやって説明すべきか悩みましたが,Spainよりマシということになり,特に問題なかったです.あと,大学側からの説明に英語がなく,ちょっとだけいろいろと手続きを手伝いました.(Helpしてくれた学生さんありがとう)

で,Web講義です

.4月20日から講義開始となり,最初の一週間は大学に来て仕事できるとなったのでここでやっていたことは

◯アパートでも講義資料の作成,講義の実施,論文の執筆などができるような状態にすること
◯研究室の学生と「平日の毎日」コミュニケーション取る仕組みを構築すること
◯5月10日に解除されない場合を考えて,最大限の準備をすること

でした.まず,講義の準備から,松葉が前期全体を持つ講義(4月からやっている分)については,4月中に関しては下記の方針で行いました.

●希望者にはLineのグループに入ってもらう

これは,後々Lineのグループ通話で講義をしようと企画したためです.このあたりも学生から色々と意見がでました.マイクの切り方は最初に言うべきだった(雑音が多かったとの意見あり)です.でも,200人までできること,ほぼすべての学生がLineを持っていてインストールが不要なことなどのメリットを重く見ました.

●講義資料はすべてパワーポイント→PDF→軽量化(Acrobat契約しているので)で軽くしてからWebClassにアップロード

これは以前からやっています.若い子(学生も研究者も含む)は,PPTを印刷して書き込むという人がかなり多い印象があります.私のときは黒板しかなかったのでわからなかったのですが,今は非常に多い.ですので,PPTをアップロードするのはこだわりました.

●あらかじめアップロードする音声講義の作成

昨日の田崎先生のやり方を参考にPDFの説明音声をボイスメモで録音→軽量化して,大学の(Google1契約してて万歳)Google Diskにアップロード.WebClassにリンクを貼って聞けるようにする.
※最初はPPT一枚ごとに取っていましたが,編集が下手くそなので,手間ばかりかかって意味ないと判明したので,基本一発取りで編集.ボイスメモより軽くていいアプリがあったら乗り換えます.
ビデオ→Youtubeも考えたのですが,画像に意味を感じなかったので,テスト前の演習の一回だけを除いてすべて音声講義です.

で,講義については,

★力学について
こちらは中間テストまではほぼ自分のPPTを持っていました.また,最初はプレイスメントテスト(共担の先生におまかせしちゃいました)だったので,例年と同じ問題をWebClassにあげてやる形式を取りました.火曜日なので21日の次がクラス分けが決まる28日,その後5月12日からだったので,とりあえず2〜3回分余裕があればいいだろういうことで準備しました.

★熱統計力学について
これカレンダー見たらびっくりしまして,木曜日3コマなので,カレンダー通りの本学は木曜日は連休中も祝日がない(笑).日程だけでいうと最悪の講義や(笑).というわけで,5回分昨年度のを改良しておいて準備しておきました.連休中かなりこれが生きたので結果的に良かったです.
あと,3年向けなので,可能な限り研究室の紹介,研究のことを積極的に入れました.特にコロナで自宅待機がでている間はかなり積極的に混ぜ込んだつもりです.

あ,実験忘れていました.実験はもともとX線装置担当で,装置の説明+院生が取ったプロファイルから構造因子の計算をさせるというものでしたので,Web化は容易でした.ただ,バイトがない(米沢の院生ではあまりそういうことはなかったようなのですが)のを避けるため,院生のTAに作ってもらい,それをアップして,TAがレポートの内容を確認して,当方が評価する仕組みを構築しました(構築したのは連休後).大学の業務にTAを使ってお金を回せという意見を持っていますが,これはまた別途意見を言います.

講義+実験ReportはWebClass経由で回収です.サーバの問題で1ファイル10Mという規制がかかりました.力学も斜面の力のかかり方がそうですし,熱力は「偏微分」という魔物がいます.TEXを身に着けさせる・・・それができたら苦労せん・・・ので,レポートの要素は最重要なところだけにして,ファイルはJPEGでのアップでも,PDFでもWordでもなんでもOKとしました.

あと,感想,改善点を書いてもらいました.まぁ,言われないとわからんし(笑).で,いろいろ言われました.その中で,他の講義のようにZOOMなどのビデオ講義をしてほしい,というリクエストが来たので,種々考えて実施することにしました.ただ,全員強制にするのは難しいですし,やってもやらなくてもいいというスタイルに落として,どちらかというと音声講義のフォローのような形+雑談(あらかじめ録音した講義音声があるので少々脱線しても大丈夫(笑))という形にしました.

この形式にするとZOOMでの出席率は力学(15名程度)だと7〜8割.熱統計だとLineが3割,ZOOMが3割というところです.まぁ,強制する=音声講義+PPTでは不足であると認めるということになるので,そこだけは避けるようなクオリティを確保するようにはしました.

講義も最初はMEET使っていたのですが,学生からよくわからんという声が出てきたこと,講義によってソフトが変わるのめんどくさいなどの意見が出てきたので,ZOOMを導入することにしました.カレンダーの都合(連休明けからZOOMに切り替えた)で,力学は最初からZOOM,熱統計はフラフラしていたという事情のせいで,参加者が意外に少ないのかもしれません.

で,連休中ですが.実家には帰れない(戻ったら2週間待機),店は異様に早く閉まる(19時半ラストオーダーって(笑))というわけで,だいぶ習慣が変わってしまいました.やっていたことは,論文書きはともかく,高分子科学,輪講のPPTの準備,音声講義の作成です.あと,いつの間にか工学部の広報担当になっていたので,オープンキャンパス(どうせ中止になると思っていたら中止になった)の企画書書いていました.新しいオープンキャンパスしますで.というのは置いておいて.

あと,Nicoさんが寮においてた自転車に無許可とシール貼られた(松葉研の学生から自転車借りたらしいです)とのことで,交渉に行ったりでした.あと,このころもう一つ悩んでいたのが3ヶ月のVisaが切れる件でした.そりゃ,スペインまでの飛行機飛ばねえ,ってそりゃそうだ.仙台の入管…じゃないわ,出入国管理庁の方々といろいろ話ししたり(妻からはただの喧嘩や,と言われますが)して,大体の方針を決めました.基本的にVisaの延長は書類さえ揃えたら問題ない,いくつか英語か日本語にしてほしい,ということと5月末まで期間があるからギリギリまで待ちましょう,という方針(笑)でした.

山形県は幸いにして連休終盤以降,感染拡大は収まった(なんだかんだ言って,山形県のやり方は初期対応としてすばらしかったと思います)ので,再開するだろうと予想して準備をしていました.講義については,なんとか回りだしてきたのがこの頃です.

愚痴っぽいのですが,レポートの管理が大変で,高分子熱統計力学って140人以上取っていますので,素直にJPEGでレポート上げたら100M以上のファイルがダウンロードされることに….圧縮ファイルを展開して,いちいち開いて(なにせ,ファイルサイズが大きいので全てにおいて時間がかかる)確認してとやるとなかなか大変でした.このあたりは紙が優れている点かなぁと.Webの優れている点は…Word+PDFで書かれたレポートって読みやすいっすねぇというTA学生の声に代えさせていただきます.

で,5月6日に非常事態が解除され,山形県自体の非常事態宣言が10日に解除されることになりました.それ以降のことは,次にかきます.

思う所ありすぎてものすごい長文になりました.

ときどきZOOM飲み会もしました.また,やりたいですので,声をかけてください.

カテゴリー: お仕事 | コメントする

20-06-23 Web講義まとめ1(まつば)

コロナのせいで急に取り組まなければならなくなったWeb講義についてです.実は,2〜3年ほど前からWeb講義にしてやろう(笑)とか企画していまして,いくつかの講義は既に準備していました.ここで一旦まとめようと思ったのは,高分子熱統計力学のアンケートでいろいろご意見を頂いて,(良い意見も改善すべき点も上げてもらいました)ここで,将来のため,誰か困った人がいたときのために置いておいたほうがいいなと思いまして,まとめます.

1.4月2週まで
コロナが日に日に悪化していく状況の中,大学の方針もコロコロと変わりました.(対面授業すると言ったり,しないと言ったり,いろいろ).最終的に大学の中からコロナが出る可能性がある以上,当面Webクラスにしなさいという連絡が来まして,基本的にWebクラスで授業を組み立てることに決定し,種々交渉を行いました.

◯輪講I→今年は幸い?に担当に当たってる年度.ばらばらでやるつもりだったが,共担の先生方と話し合った結果,松葉は約50名を6月に担当することに決定.読ませたい論文は集めていたので,英語と高分子物理を学べるような内容にしようと決定.詳細はしばらく時間があるので置いておくことに.
◯高分子科学(串刺しのやつ)→こちらは今年始めての受け持ち.とりあえず,合成,物性,材料みたいな形に分けて,物性担当に.こちらも受け持ちが5月末からなので,しばらく時間があるということでPending.
◯力学の基礎→共担の先生ともともとWeb化しようとか言っていたので,PPTはまとまって存在していました.あとはクラス分けテストをどうするかを打ち合わせて決定.最初はLine ですることに.
◯熱統計力学→松葉が1人でやっているため,すでにPPTはある程度まとまっている.ただ,著作権の問題がある事がわかったため,いくつかPPTを作り直す必要がでました.この講義は松葉のみ担当で,木曜日なのでGWの間もある事がわかっていたので,5回目までのPPTをあらかじめ作っておいて,スタートダッシュが決められる形に.

講義が4月20日の週からと決定したため,Web講義についてかなり真面目に調べる.個人的に考えた問題点は,著作権の問題がでてきました.色々文科省なども動いていただいた(褒めてる)のですが,正直良くわからん(笑).それで,可能な限り著作権フリー素材を使うことにしまして,探せば結構存在することが判明しました.特にOpen Universityの高分子の英語の説明は助かりました.リンクが4月16日にアップしたのに残っています.

あと,読めなかったのは学生のネットワーク環境でした.4月2週くらいまでの時点で,ネットワーク環境が明らかに貧弱でやばいことになっている学生,全く先輩や同級生からの情報が得られず混乱している学生(特に新入生),とりあえずパニックになっている学生がいました(対応はできる限りしたつもりですが).それを持って講義の方針を決定しました.
◯学生たちの通信環境は貧弱な可能性がある.そうである以上,貧弱な方に合わせるべきであろう
◯ZOOMは(当時)100名の制限あり.大きい講義をやるのは無理.
◯学生には選択肢をもたせたほうがよい
ということで,やったこと
1.力学と熱・統計力学は松葉担当がはっきりしているので希望者に向けてLineのグループを作成
2.PPTはすべてWebClass上にアップ.著作権の問題もクリアして,来年以降も少しの手直しでやりきれる形にする
3.実は研究室の方針もそうだったのですが「学生に選択肢を与える」ようにしました.
4.ネットワークが貧弱な学生向けのコンテンツを作る必要がある.

1.はもともと研究室でしているので抵抗ないですし,2.は準備しています.3,は実は松葉研の方針でして(Nicoさんがいたという理由もあるのですが),来てもいい,来なくてもいい,基本的に毎日Lineだけして生存報告をしてくれ,それ以外は実験しようと何しようと構わない,家で仕事してもいい,という方針にしました.下手に家に閉じこもらせるほうが,三密の危険があるかと考えまして.

若い学生さんって選択肢がないことを極端に嫌がるという気がしています.無いほうが頭使わなくていいから楽じゃん,ってのは,事実ですが年寄りの考え方ですね.つうわけで,3.を満たせる形で4.を狙うと.そこで,こういうページを見つけました.

学習院大学の田崎先生のページ

どこでどうやって見つけたのか忘れましたが,むちゃくちゃ役に立ちました.なら,最初から音声だけでわかるように作ればいい,というのがエポックメイキング(とまでいいます)でした.(存じ上げなかったのですが,田崎先生は物理の世界では非常に著名な先生でした.文章もわかりやすいわけです)録音の部分だけ自分で考えて
MacのボイスメモでPPTを見ながらしゃべる→それを軽量化
のみです.ただ,最初の頃はきちんとつなぎ合わせたりしていたのですが,どうも間違ってつなぎ合わせたのを指摘され,それ以降は一発どり(笑).

ZOOMやMEETは通信量が怖くて使えねぇな,と思っておりました.当時は.そのため,学生にネットワーク環境を,というのはかなり主張した記憶があります.

今年は花見もできませんでした.折角の機会だし,Nicoさんとしたかったなぁ,と研究室で思っております.心残りの一つです.

カテゴリー: お仕事 | コメントする

高分子関連の教育素材(メモ書き)

以降,高分子関連のWeb教材です

IIT(インド工科大学)の高分子の基礎のレクチャー
https://freevideolectures.com/search/polymer/?fbclid=IwAR3cSfw7W8JfmCtd8vqXc7W4q8v9s_GKz1B9aUdsYttjjenUZQBiPzr1unc

Open University(UK)のレクチャーテキスト
https://www.open.edu/openlearn/science-maths-technology/science/chemistry/introduction-polymers/content-section-0?intro=1

Boulder Schoolテキスト
https://boulderschool.yale.edu/2012/boulder-school-2012-lecture-notes
ビデオまとめ
https://www.youtube.com/playlist?list=PLdV51-1AzT3MeIGdoc3_VBsMYnM3LXYiR

マニアックな人向け
Prof M. Muthukumar (U Mass)の講演
https://www.youtube.com/watch?v=GunaM4yW2Aw

なにかあれば追加していきます.情報ください.お待ちしております.以下,追記分

  1. Oさんからご推薦がありました.高分子物理というか,3Dプリンタですね.
    (0416 2236追記)
    https://www.ted.com/talks/joseph_desimone_what_if_3d_printing_was_100x_faster
  2. TEDで見つけました.天然系高分子.(0418追記)
    https://www.ted.com/talks/eben_bayer_are_mushrooms_the_new_plastic
  3. リーディング生のOくんが教えてくれました.かなりしっかりとしたまとめです.UCSDのProf. Darren LipomiのLectureになります.薄膜とかもやっているので,松葉研にも関連が深いです.
    https://www.youtube.com/user/djlipomi
  4. リーディング生のOくんが教えてくれました.基礎的な有機化学についてOrganicChemistryTutorです.他のも多いみたいです.こういう使い方もあるのね.
    https://www.youtube.com/channel/UCEWpbFLzoYGPfuWUMFPSaoA

また,みんなが楽しく実験できる日々までしっかり勉強しておきます.
(2020.01 BL43IR@SP-8)

カテゴリー: お仕事, 研究室 | コメントする

20-02-20 修論公聴会2020

修論の公聴会が無事に終わりました.例年のようにまとめです.

2020年2月19日

石井瑞歩くん「側鎖結晶性高分子を用いたフィルムの物性制御(Control of physical proterties with crystallizable side-chainpolymers)」(英語発表)
今年は一番最初になりました.副査は熊木先生とSathish先生にお願いしました.粘着剤などに用いられる側鎖結晶性の高分子の粘着・剥離性と表面構造,また粘着付与剤の効果についての議論です.まず滝本先生から粘着付与剤の構造や融点,軟化点についての議論がありました.また,副査の熊木先生から,高温での溶解性低下との関連,粘着付与剤が表面に析出するプロセスについての議論がありました.また,Sathish先生から相関距離からどのように溶けているのかを議論できないのか?乾燥後の表面について実測はしていないのか?モデルとの相関についてなどの議論をいただきました.各先生とも英語,日本語を交えて非常にレベルの高い議論でした.

英語での議論もしていて,非常に立派でした.松葉研の国際化への道を開いてくれたパイオニアです!

坂牧広夢くん「フッ素樹脂/PMMAブレンドの結晶性と相分離の制御」
副査は伊藤先生,宮田先生にお願いしました.フッ素系樹脂のPMMAブレンドの相分離と結晶成長の様子をX線散乱やTEM測定を駆使して調べた研究になります.宮田先生から,PVDFのような結晶多形は他の樹脂ではないのか?やPVDFのβ構造,α構造がどのように出たのか?また,それが密度ゆらぎとどのように相関しているのか?の議論がありました.また,伊藤先生からは何が新しいのか?という質問と熱履歴の際の相分離→結晶化の順序について,やTEM像についての議論をいただきました.特に,非常に小さなスケールで見たら何らかの構造があるのでは?という議論をいただき,適切に議論を返していました.

修士課程で最も伸びた学生さんの一人です.大量のデータに基づく解析をしっかりやってくれました.(特に就活終了後がすごかったです)彼も,国際化にものすごく貢献してくれました.

2020年2月20日

森田晃年くん「樹脂中におけるセルロースナノファイバーの分散性の評価」
副査は西岡先生,滝本先生にお願いしました.セルロースナノファイバーのコンポジット内部の分散を評価するという多分誰もやっていない分野なんだけど,なんで論文が・・・みたいな話です.レベル高いですよ,これ.西岡先生からはセルロースの分布についてナノメートル〜ミクロンにどのように変化するのか?どのように実際に動いていくのか?力学挙動などについてご指摘がありました.また,滝本先生からは模式図と顕微鏡の相関についてやCNFの凝集についての議論をいただきました.卒論のときに比べると圧倒的に成長したのを感じました.また,香田先生からも凝集についての議論があり,非常にCNFの凝集については注目度が高い,と感じました.

森田も非常に頑張っていた学生の一人です.共同研究先の打ち合わせは全て任せても安心のレベルまで行きました.

加藤将人くん「X線散乱法によるエチレン系アイオノマーの高次構造の解明」
副査はアイオノマーということで西岡先生,香田先生にお願いしました.アイオノマーの構造について散乱法を駆使して,内部構造を評価した「マニアック(by西岡先生)」な研究です.西岡先生からはTiの問題点についていくつか指摘があり,力学挙動や内部のモデルなどについて議論していました.また,Naのほうが粘度が高い,などの議論をもらい巻した.一方,香田先生からは核の数と分布について議論がありました.特にTiのDSCのピークはなんで重ならないのか?という非常に難しい議論まで突っ込まれており,非常に勉強になったかと思います.

加藤も最も伸びた学生の一人です.Yarusso-Cooperと光散乱測定は今世紀最大の発明だそうですが,なんにせよ広い空間スケールでの測定が入ることで一気に理解が深まった感じがします.

外山佳祐くん「二軸延伸フィルムの精密構造解析」
副査は川口先生,杉本先生にお願いしました.湿式逐次二軸延伸フィルムの構造変化について議論したという非常に産業を志向した研究です.おもしろいで.杉本先生からは相分離がいつ始まるのか?の議論がありました.特にTD延伸で孔は大きくなっていないことを指摘を受け,非常に頑張って議論を返していました.また,川口先生からはDryのフィルムの内部構造,X線散乱プロファイルについてのなぜ結晶が見えないのか?SAXSでは何が見えているのか?という議論がありました.また,それに関連して滝本先生からも議論があり,可塑剤についての分布と孔の関連について指摘がありました.

外山もよく頑張っていました.かなり緻密な議論をしたので,しっかり前進していい話まで持っていくことができました.中国関連の行事では本当にお世話になりました.


なんにせよ,5名とも非常にレベルの高い発表,質疑応答で非常に嬉しく思いました.2年前からの大きな成長が実感できました.リンク

夜は懇親会でした.10名の学生さんお疲れさまでした.

カテゴリー: お仕事 | コメントする

20-02-13 卒業研究発表2020

というわけで,卒業研究発表のまとめです.5名とも発表はよく頑張っていました.

近藤優成くん
ポリウレタンの構造解析をメインテーマとして研究を行いました.Sathish先生から,SAXSの構造解析はできているが,他との兼ね合い,とくにWAXS測定の解析についての質問が来ていました.また,長周期と相関の違いについても指摘を受けていました.多くのアドバイスをいただき,修士での研究に向けていいアドバイスをいただきました.

佐藤龍斗くん
透明核剤系のPPの構造解析の研究テーマでした.しっかりTEMとSAXSを比較して,いくつかの議論が出ました.瀧本先生からはなぜアニールすると構造が変化するのかのご指摘を受けました.香田先生,杉本先生からは核剤の分散,凝集についての指摘を受けました.

佐藤綾汰くん
フッ素樹脂とPMMAのブレンドの構造解析が研究テーマでした.香田先生から相分離の基礎についてのご質問がありました.確かに,濃度変化をきちんと捕まえておくのは必要かと思いました.また,瀧本先生からPVDFとの相違を指摘されて,このあたりの議論はお互いもうちょっとやっても良かったかなと思いました.

鈴木悠作くん
粘着剤の粘着付与剤と極性の相関についての研究でした.瀧本先生から高温時の特性と凝集についての議論がありました.また,Sathish先生から凝集体の大きさと透明度,AFMで見えた構造の相関についての質問がありました.確かにゆらぎの観点から考えてもいいかもしれません.

村山駿介くん
2種類のイオンをもつアイオノマーについての研究でした.香田先生からイオンの中身についての議論がありました.確かに数字の議論は非常に重要でした.このあたりはこちらもモデルを考えておくべきでした.また,モデルについての質問がSathish先生からでました.西岡先生から後で議論したいのでよろしくと声がかかっているのでよろしくです.

5名ともお疲れさまでした.この2週間で実力が大きく伸びたのを感じます.この調子で次のステップに向かうために頑張りましょう.

2020.02.12 松葉研究室

カテゴリー: お仕事 | コメントする